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鳥取県鳥取市(鳥取砂丘 サイクリングターミナル) 今日から降るであろう雨と体力回復のため、今日明日は鳥取砂丘に滞在です。 どんなに気を付けて歩いたって、どこから入ってくるのか靴の中は砂だらけだ。靴下の中だって。 安倍公房の小説『砂の女』では、どこからとも入り込んでくる砂に家が飲み込まれるのを防ぐため、主人公と女は来る日も来る日も砂を掻き出す。 そんな虚無感や徒労感が付きまとうこの砂の丘も、50年前は今の4倍の広さだったそうだ。 道を造り、植林をし、そこに合った作物を探し、そうやって不毛の土地を開拓した。 人間は蟻のごとく偉大だ。 中国山地の岩から削られた砂が、川に乗って日本海に運ばれ、この浜に打ち寄せられ、風に巻き上げられて積み上がる。 そんな途方もない連続でできた砂丘も、今は周りを囲む緑のために、放っておくと草原になるという。 それをボランティアスタッフが一本一本引っこ抜いて、砂だらけの景観を維持している。 ものの価値は時代時代で変わってゆく。かつては無くそうとしたものを今は残そうとしている。 そして人間は蟻のごとく偉大だ。
by junmai_inocchi
| 2010-05-22 21:59
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